有限会社 庄司建築事務所 本文へジャンプ
増築工事


住宅の増改築工事のご相談にお出でになったU様宅です。
築地松や古い蔵のある立派なお宅でした。
建物の老朽化・使い勝手の不自由さを考え、増改築したいとの事でした。

各所を見せて頂き感じたのは、お話にもあったように使い勝手の不便さでした。
トイレは建物の南側、お風呂は建物の北側、台所は建物の東側となっており、頻繁にお使いになるであろう場所が分散しています。
動線を考えても給排水の取り回しにしても、水廻りはなるべく近い方が何かと良い事が多いのです。
さらに土間があり、靴を履いて一度外へ出ないとトイレやお風呂へ行けません。
これはこれで現在の建物を建てられた当時はニーズに合っていたのでしょうが、時代や年齢を重ねると大変ご不自由な事であると思われました。
(写真はお風呂の入り口です。靴を脱いで入り、脱衣もありません。)

蔵の写真です。
大変立派な物ですが、かなり老朽化し、今はあまり使っていないとの事でした。

母屋の部屋数はそのままに、この蔵やその他の部分を解体し、増築したいとの事でした。
長い年月を共に過ごした建物がなくなるのは少し勿体ない気もしましたが、後々のメンンテナンスや使い勝手を熟考された結果だと言う事で、撤去する事となりました。

既にプラン図面をU様ご自身でお書きになっており、拝見させていただきましたが、良いプランとなっていました。
より使い勝手を良くする為の小変更の提案をさせて頂き、大筋でU様のプランで工事させて頂く事となりました。

近くの神社さんに工事の無事を祈念していただき、解体工事の着工です。

撮影した時には、既に蔵の撤去は終っていました。
上の写真にて重機がいる辺りに蔵がありました。
残す建物との接続部分は人力にての解体となりましたが、あとは機械での解体です。
天候にも恵まれ、5日程で終了しました。



再びご近所の神社から神主さんに来て頂き、地鎮祭を執り行ないました。
地の神様に工事の報告をし、U様と工事の無事を祈ります。

丁張をかけ、いよいよ基礎工事のスタートです。
同時に水道設備業者に給排水の先行配管をしてもらいます。
今回からは排水も農業集落排水(下水道)となります。

配筋・ベースコンクリ・型枠・立ち上がりコンクリと順調に進みます。

この後、養生期間をおいて型枠を外し、天端を仕上げ、基礎工事の完了です。
後は棟上げを待つだけとなりました。





基礎工事と並行して、加工場にて大工さんの加工も順調に進みました。

基礎工事終了よりも早く大方の加工が終ったようです。

てぎわの良い職人さん達に頼むと、プレカットの納期よりも早く仕上てくれます。
さすが匠の技を現在に受け継ぐ方たち、毎回感心させられます。



材料搬入し、土台を取り付けます。
上棟を見越し、ある程度組み立てられる物は前組みしました。

いよいよ上棟間近です。
後の便宜上、既設の建物との取り合い部分だけ先に起こさせてもらいました。



いよいよ起こし方です。
まずは1階から順次起こしていきます。
前段取りで、ある程度仮組みが終っていましたので、半日もかからず1階のお越しが終りました。





次に2階部分を起こしていきます。
転落防止に足場はもちろんですが、部屋となる部分にステージを組み、最新の注意をもって組み上げていきます。

写真の撮影もあって、2階のステージへ上がるのですが、私などは何度上がっても足が竦む思いです。

それよりもまだ高い最頂部の細い材木の上を、地面と何ら変わらないような足ぶりで大工さん達は歩いていく訳ですが、私には一生かかっても出来ない事です。





ここまでくると、出来上がる増築部の形が良く分かります。
いよいよ棟木を上げる時が来ました。

こちらもステージを組み、U様に上がっていただきます。
足元のおぼつかない私よりも全然普通に歩いていらっしゃいます。

棟梁の指示の元、皆の掛け声に合わせて棟木を叩いていただきました。










夕方、屋根の仕舞いも終わり、上棟式となりました。
棟梁さんが祝詞を読上げます。
改めて工事の安全を祈ります。


屋根瓦工事の完成です。
既設の建物との兼ねあいもあり、石州瓦となりました。
防災瓦となっており、風雨に大変強い商品です。
さらに全部の瓦を釘止めとしました。

地元(島根県)で生産されていますので、山陰の気候に合った製造方法により、大変長持ちします。現在は補助金もあったり、金融商品によっては石州瓦を使用する事で金利がお徳になるものもあります。

外壁のサイディング工事も進めます。



内部工事の様子です。
今回はほぼU様の設計プランに沿っての工事でしたので、事前確定が多く、大変スムーズに工事を進める事が出来ました。

そのためにU様は熱心にご勉強なされたり、展示場へ足を運ばれたようです。
詳細や色など、かなり迷われる方が多いのですが、何を尋ねても即答して頂く事が出来ました。










いよいよ仕上に入りました。
部屋単位で内装の仕上げをしてもらいます。
住宅設備もお風呂を除いてこの後取り付けを行いました。





既設建物との取り合い部

設備機器や照明器具などを設置し、完成です。

LDKを中心に、トイレ・お風呂・居室を備えた大変使い易い増築部となりました。

今は別にお住まいの息子さん達のこともお考えになり、2階にも大きな洋室があります。
こちらは将来の家族構成の変化も踏まえ、部屋を間仕切ることで2部屋とる事も出来るようになっています。

外観も特徴的です。
片方に屋根が長く、印象に残る建物です。
以前あった『蔵』を撤去したのは残念な事ですが、この増築部をみると、現代風にアレンジされた『蔵』があるかのようにも見えます。
和瓦を選ばれたのも、その雰囲気を後押ししているようです。

思えばいつもにこやかに接して下さったU様ご夫婦でした。
無事引渡しを終え、工事の間のように頻繁にお会いできないのが少々残念ではありますが、これからメンテナンスなどを含めて長いお付き合いをさせて頂きます。

改めて宜しくお願い致します。
















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