有限会社 庄司建築事務所 本文へジャンプ
改修工事


手狭なトイレを少しでも広くして欲しいとのご要望でした。

玄関を入って、正面の壁の向うがトイレとなっていました。
こちら側に広げるのは玄関が狭くなる為に出来ません。(写真1)

では、と上がらせて頂き、トイレの前まで行きます。
とは言え、歩数で2歩ですが。
トイレの入り口はドアとなっており、トイレの外へ開くようになっています。(写真2)

また振返ると、そこは階段室。
2階へ続く階段がまっすぐ下りてきています。(写真3)

これではこちら側へもトイレを広げられません。
その上トイレへ出入りする人と、階段を上り下りする人の動線がぶつかってしまいます。
同時だと、どちらかが譲る様な形となりますし、いきなりドアが開いてビックリ!なんて事もおこりそうです。

肝心のトイレ内部を見せて頂きます。
確かに少し狭いです。
背の高い方がお使いになった場合、前かがみになると頭が壁にぶつかりそうな感じです。(写真4)

実はこの様な間取りのお宅はけっこう沢山あって、居室の使い勝手や広さなどを優先したため、トイレやお風呂など水周りが角に追いやられた結果と言えます。
とは言え、その時はそれで良かった事でしょうし、その後の状況が変わる事など想像も出来なかった事と思います。

話を戻しますが、外部に多少なりとも増築するスペースがないか確認しましたが、市街地で敷地一杯に建物が建っており、これも無理そうでした。(写真5)

トイレの位置や間取りの変更も考えたのですが、比較的大規模な工事となりそうでなかなかお勧め出来ません。












トイレを広げつつ、動線の問題や無駄なご予算をお使いにならないで済むプランを熟考し、ご了承を頂けたので早速実行させてもらいました。

階段を一部カットし、段板も外します。
並行してトイレの解体も行いました。





大工工事中のトイレ内部の様子です。

弊社では平素よりトイレの壁下地に合板を用いています。(写真1)
これは将来的に、例えば手摺を取り付けたり、設備機器を取り替えられたり、トイレ用品の(収納など)を追加された場合でも、どこにでも取り付け固定が出来るからです。

石膏ボードなどを直貼りした下地ですと、補強が必要になったり、場合によっては再び壊さなくてはいけない場合が出てくるのを考慮しての選択です。
もちろん合板の上に石膏ボードを重ねて張りますので、合板から出る「アク」で、クロスにシミが出来たりカビが生えたりはありません。

トイレの工事に伴って入り口のドアも引き戸に変更しました。
敷居の様子ですが、当然廊下、トイレ内部とバリアフリー化しています。(写真2)
敷居の筋にはこの後フラットレールを取り付けます。

なお、ご自宅に車椅子をお使いの方もいらっしゃるので、開口を80センチ以上とりました。
ドアと違い、開閉時にご自身の体をよけるという動作がなくなりますので、非常に楽になったと思います。




直階段を改め、回り階段としました。
上り下りの場所を変更する事によって、前述の動線の交差を解消しつつ、トイレのサイズアップを行う事が出来るようになりました。


壁や床の仕上げが終り、設備機器を取り付けました。

ホワイトを基調色とした事で、明るく清潔で、しかもより広がり感のあるトイレへと変わりました。

床の仕上はタイルやフローリングより、いっそうお手入れの楽なCFシート(ビニール樹脂性で弾力のあるクッションフロア)としました。

壁には手摺も取り付けました。


最後に便器の脇に自助用の手摺を取り付けました。
これで車椅子からの乗り降りも介助なしで出来ると思います。
もちろんその他のご家族様にも役立つ装備だと思います。









最後に今回の工事の図面です。

上が工事前、下が工事後です。

ポイントは既設のトイレ入り口の脇に立っている柱が取れるかどうかでした。
(下の図面で言うと、トイレ内部に書かれている×印です。)

調査の結果、補強材を入れる事で撤去出来る柱であった為、今回の工事が成り立ったと言えます。








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